花火師の憂鬱

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私は打ち上げが嫌いだ。酒は自分のペースで飲みたい。静かに嗜みたい。
なのに花火師連中と来たら花火大会が終わった途端、自分達の祭りはこれからだと言わんばかりに大はしゃぎ。羽目を外したい気持ちも分からなくはないがもう少し大人しくしてほしい。
なんて言えば、親方連中は私を叱りつけるだろう。飲みにケーションも仕事の内だと怒鳴りつけるだろう。そんな事していたらいつか大炎上してしまうぞと言いたくなるが親方達から学ぶべき事はまだまだある。だからまだ問題になってもらっては困る。
私は騒がしい輪の中から外れ一人手持ち無沙汰に酒を飲む。
「もし良かったら一緒に飲まない?」と声をかけてくる美女。
悪いけど、花火師の私は火遊び厳禁なんだ。うっかり引火すれば大爆発を起こしてしまう。
美女の薬指には指輪の跡。花火師は小さな見落としが命取りになる。
親方達に目を向ける。今日はあの人達がナイアガラする前に帰れるといいな…
公開:22/07/31 20:58
半分くらい実話

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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