知識の呪縛
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俺は喉を潤すためにコンビニへ立ち寄り、冷たい無糖紅茶を手に取った。
レジに並び、左のジーンズのポケットに手を突っ込んだ。
(あれ、スマホが無い。ヤバイ)
あちこちのポケットに手を突っ込んでみた。
左のジーンズの小さなポケットに小さく折り畳んだ一万円札があった。
(良かった。でもスマホ決済楽だよな)
と思いつつ店員から大量の「お釣り」を貰いながら後ろの視線が気になった。
小学校低学年の女の子からだった。
「おじさん、なんでそんなにお金貰っているの?」
「あ、これはお釣りだよ」
「え、お釣りって何?」
(何、この子はお釣りを知らんのか・・・)
(今どきの子は電子決済が当たり前か、なるほど)
子供達は現金で支払うという事を知らず、お釣りという概念が存在しない。
まさに知識の呪縛であった。
女の子の右手には午後の紅茶ミルクティー、そして左手にはPASMOのカードが握りしめられていた。
レジに並び、左のジーンズのポケットに手を突っ込んだ。
(あれ、スマホが無い。ヤバイ)
あちこちのポケットに手を突っ込んでみた。
左のジーンズの小さなポケットに小さく折り畳んだ一万円札があった。
(良かった。でもスマホ決済楽だよな)
と思いつつ店員から大量の「お釣り」を貰いながら後ろの視線が気になった。
小学校低学年の女の子からだった。
「おじさん、なんでそんなにお金貰っているの?」
「あ、これはお釣りだよ」
「え、お釣りって何?」
(何、この子はお釣りを知らんのか・・・)
(今どきの子は電子決済が当たり前か、なるほど)
子供達は現金で支払うという事を知らず、お釣りという概念が存在しない。
まさに知識の呪縛であった。
女の子の右手には午後の紅茶ミルクティー、そして左手にはPASMOのカードが握りしめられていた。
その他
公開:22/08/01 07:00
産婦人科専門医/指導医
@sanadakuma
tama-himawari3w.com
身体は日々の食事で出来ている。
妊婦さんにも食事の重要性について情報提供しています。
ダイエット中の方々にも食事・睡眠・運動の重要性について情報発信しています。
自身が「愛着障害」であることに気付き、もう一人の自分と上手に共生しています。
自分が、自分の『安全基地』になることが生きていくための拠り所なのかもしれない。
科学的な視点からの表現も交えて、ショートショートストーリーを作っています。
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