くろ/夏のかけら

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切り離した黒いそれが窓の外まで追いかけてきたみたいだ。

大丈夫、瓦礫はぜんぶ私の味方をしてくれるはず。
ぬいぐるみの手を握ったら世界はまた白に戻る。
あの喫茶店、また行きたかったね、お金がないからもう行けないけど。

口約束の苦さが黒かった。
気付かないふりをした。


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蒸される感覚の中、きみがいなくなった事を知った。

素晴らしい事だと思った、ぼくは
ぼくには出来ないから

根を張った劣等感に抱き着いている内に心地よい場所になってしまったから

焼けるような暑さの中、ぼくはここにいる
青春
公開:22/07/27 02:06

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