『麦茶』シゲと僕

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僕は、親友の待つ公園の土管へ急いだ。
「よッシゲ」
「遅かったね」
「母さんが水筒を持って行けって。ほら麦茶」
「俺も婆ちゃんに、麦茶を持たされたよ。そうだ、飲み比べてみるか」
「いいね」
その時、同級生のタカコが土管を覗いた。
「やっぱり、2人の声だわ。何してるの?」
「そっちこそ?」
「私は塾」
「俺らは麦茶の飲み比べさ」
「面白そう。私の水筒も麦茶だよ」
それぞれ、水筒の中のカップを取り出す。
「先ずは、マキオのから」
「うん。はいどうぞ」
「ん……普通だな」
「そうね、一般的。私のも飲んでみて」
「旨い!」
「甘くて美味しい!」
「お砂糖タップリだもの」
「じゃあ、俺のだ」
「にが!」
「ヤダ〜これ!」
「どれどれ、不味!!」
「あっ、遅刻しちゃう!またね」
「口直しにタカコのを、もう一度飲みたかったなぁ……普通ので我慢するか」
「何だよそれ、ハハ」
「ヘヘ」
シゲと僕は親友だ。
青春
公開:22/07/28 20:21

杉本とらを( 東京 )

言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!

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