ハートメロディー

2
1

人見知りで友達が出来ず、ずっと音楽室で一人ピアノを弾いていると、一人の男の子が声をかけてきた。
「良い音色だね。優しい音。君のピアノ好きだよ」
「あ、ありがとう……」
不器用に返事をした私は、またピアノを弾いた。その様子を彼は、黙って聞いていた。それから彼は、私のピアノを聞く為に音楽室に遊びに来るようになった。
「小さい頃からピアノやってるの?」
「うん……」
少しずつ彼と会話できるようになっていった。そしてある日、彼は他の友達を連れてやってきた。私のピアノを聞かせる為だ。
「凄い!!上田ってピアノ上手いんだな!!」
「上田さんの音色綺麗」
それから私は人気者になり、次第に友達は増えていった。彼のおかげだ。
大人になり、私はピアニストになった。

「上田。良い演奏だったよ」

彼は私の演奏会に必ず来てくれる。
あなたに出会えてよかった。
私の心臓は今、世界一幸せなメロディーを奏でている。
公開:22/07/28 09:54

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容