物語を書けるようになる飴

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私は文筆家でありながら最近停滞気味なので、物語が書けるようになる飴というのを購入し舐めてみた。
すらすらと書けるようになった。調子に乗って舐めて書き続けていると飴が無くなったので、買いに出掛けた。
途中すれ違う女性たちに声をかけたが、ことごとく無視された。私のようなハンサムな大家の誘いを断るとは信じられなかったが、中にはそんな奴もいるのだろうと気にしないことにした。
飴の力を借りて無事に原稿を書き終えたので、家まで取りに来いと編集者を呼びつけた。
原稿に目を通した編集者は悪くは無いが内容はこう変えたらもっと良くなると思う。誤字や不自然な表現も幾つかあるとケチをつけるので、私は彼を殴り飛ばした。彼は這々の体で帰って行った。
テレビをつけたら例の飴のことをニュースでやっていた。副反応が強く非合法商品と認められたため、購入使用は禁止となったとのこと。
何言ってんだ害なんてないだろと飴を舐めた。
その他
公開:22/12/21 19:51

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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