おじさん化視病

おじさん化視病。通称おじ化病を患っている私は恋愛とは無縁の存在である。
何せこの病気、あらゆるものをおじさん化させて私に見せてくる。
だから私は家族も近所の人達も学校のクラスメイトや仕事の同僚でさえ、全員おじさんに見えてしまう。
果てはペットまでおじさんに見えてくる。アニメやマンガのキャラももれなくおじさん化させてしまうこの病のせいで私の娯楽はかなり限られていた。
だから私はおじ化病を直す薬を作る為、理系に進んだ。
必死に勉強し、研究チームを立ち上げ、ついに特効薬を完成させた。あとは人体実験を残すのみ…私自ら薬を飲んだ。
おお！おじさんの輪郭が徐々にぼやけ、皆の元の顔がはっきり見えてくる。実験は成功だ！
…と、思っていたがすぐに私の体を副作用が襲った。
皆の輪郭が再びぼやけ、皆がおばさんに見えてきた。
おじ化の次はおば化か…この薬も失敗だ。こんなもの出せば「おバカ」と後ろ指差されてしまう。