早過ぎた予言

とある少女が地球は十年後に滅びるという予言をした。それをSNSなどに載せた。
当然誰も信じずに一笑に付した。だがその後も彼女は具体的な年月日付きで、天災や国際紛争などを予言した。百発百中だった。
こうなると彼女の予言を信じないわけにはいかない。震災が起きると言われた地域に住む人たちは、避難して被害を最小限にすることに成功した。
ただ国際的な紛争においては、歴史問題や領土問題なども根強く残っているのでおいそれと収まりはつかなかった。だが予言の日時が迫ってくるにつれ、どうせ滅びるのだから最後は仲良くしようよ、思い出作りに励もうよという気運が高まり和解しつつあった。
予言の二年前には全ての紛争は収まり、これからは仲良く好きなことをやろうと心が一つになった。
その日に地球は滅んだ。少女は滅亡の予言だけ二年間早く間違えたらしい。ほとんどいい思い出が作れず、やりたいことができなかった人は気の毒だった。