保健室登校
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黄ばんだカーテンが揺れて、部屋に染みついた消毒液の匂いが舞う。先ほど出ていった養護教諭が、出勤してすぐに窓を開けたのだろう。
カーテンから棚へ視線を移し、必要なときすぐに薬や湿布、絆創膏を使えるように棚の鍵を開ける。
保健室の扉が横に引かれ、いつものごとく、制服のネクタイを緩めに結んだ彼が保健室に入ってきた。私は大げさにため息をついた。
「あのさ。あんたって健康優良児そのものじゃない。友だちも多くて、クラスに行きにくいってわけでもないし。なんで毎日、保健室に登校してくるわけ」
手に持ったスクールバッグを肩にかけた彼は、私から視線を外す。
「だって、お前、保健委員で毎朝ここにいるじゃん。クラスも部活も違うお前と会おうと思ったら、ここしかないだろ」
私は少しずり落ちた黒縁眼鏡を手の甲で持ち上げ、彼の顔を見上げる。
そっぽを向いてよく見える頬は赤く染まっていた。
カーテンから棚へ視線を移し、必要なときすぐに薬や湿布、絆創膏を使えるように棚の鍵を開ける。
保健室の扉が横に引かれ、いつものごとく、制服のネクタイを緩めに結んだ彼が保健室に入ってきた。私は大げさにため息をついた。
「あのさ。あんたって健康優良児そのものじゃない。友だちも多くて、クラスに行きにくいってわけでもないし。なんで毎日、保健室に登校してくるわけ」
手に持ったスクールバッグを肩にかけた彼は、私から視線を外す。
「だって、お前、保健委員で毎朝ここにいるじゃん。クラスも部活も違うお前と会おうと思ったら、ここしかないだろ」
私は少しずり落ちた黒縁眼鏡を手の甲で持ち上げ、彼の顔を見上げる。
そっぽを向いてよく見える頬は赤く染まっていた。
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公開:22/12/20 20:00
2021年3月に小説を初めて完成させました。いろいろなジャンルのショートショートを書いていきたいと思います。
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