夜が来るまで君といたい

今日はクリスマスイブ。彼氏と夜を過ごしたけど、今夜は家族と過ごさなきゃならない…
私達は学生だから仕方ない…
こんな時、冬が憎らしい。冬は夜が早く訪れる。私は今日という日を１分１秒でも彼と一緒にいたいのに…
そう思う私に奇跡が起こった。今日は１８時になっても１９時になっても空は明るいまま。まるで夏至のような昼の長さに困惑する。
そんな私の横で彼が恥ずかしそうに言った。
「実は今日、君と少しでも長くいたくて夜にアンチエイジングを施したんだ。見ての通り、夜が更けるのが遅くなったよ。でも夜が来ないわけじゃない。だから夜が来るまで楽しもう」
雪が降る聖夜をホワイトクリスマスと呼ぶのなら、夏のような夕日に照らされる聖夜はさしずめレッドクリスマス。
恥ずかしさで真っ赤な顔も、今なら夕日と寒さのせいだと誤魔化せるだろう。
私は彼の頬を両手で掴むと、ファーストキスというとっておきのプレゼントを贈った。