使い魔ミミル

0
1

それでも僕は君を愛している。「―――っ、」
言葉にならない感情が喉元までせり上がり、息を呑む。
僕にはもう、この世界のどこにも居場所なんてないんだと思っていた。だけど、それは違ったのだ。
僕の居るべき場所は、ここにあった。ここにしかないのだと、今ならはっきりわかる。
「……ああ、そうだね。うん、そうだったよなぁ」
涙で滲みそうになる視界に、小さく微笑んでみせる。
そうだ。何を迷うことがある? 僕はただ、自分の気持ちに正直になればいい。
「……ありがとう、ミミル。君のお陰で大切なことを思い出せた気がするよ」
『えへへー』
嬉しそうに照れるミミルは本当に可愛いと思う。こんな子が自分の使い魔だなんて、やっぱり僕は幸せ者だよなぁ。
「じゃあ、ちょっと行ってくるよ」
『うん! いってらっしゃいっ!』
彼女に想いを伝えるために僕は行く。この関係が壊れても、僕にはミミルがいる。大丈夫。一人じゃないんだ。
公開:22/12/16 07:46

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容