ぎゅーっ

娘がクリスマスプレゼントに欲しいと言ったのは大きなクマのぬいぐるみ。
でもウチにはそれを買うお金がない…大きなぬいぐるみは値段もビッグサイズだ。
どうしよう…ため息を吐くと怪しげな露天商に声をかけられた。
「大きなクマのぬいぐるみが欲しい？それならこれはどうだい？」
出されたのは箱に入ったクマのぬいぐるみ。
「これは今は小さいが愛してやるとその愛に応じて大きくなるぬいぐるみだ」
私はそのぬいぐるみを購入した。露天商の言葉を信じたわけではない。露天商の言葉を娘に言って聞かせて、信じさせようと考えた。

案の定、私の説明に娘は大喜び。すぐに箱を開け、ぬいぐるみをぎゅーっと抱きしめる。
するとぬいぐるみが大きくなり始めた。むくむくと膨れ上がるとあっという間に私より大きくなった。
もしかして娘は私よりぬいぐるみを愛しているの？
私は娘を抱きしめた。これ以上愛もサイズも大きくさせてなるものですか！