光武者

側近が極度の人見知りである私の為に光武者を用意してくれた。
国のトップでありながら、人前に出るのが苦手な私。演説は大の苦手。縁の下の力持ちとして、陰ながら国を支えるのが性分に合っている。
それを分かっての事だろう。側近は影武者ではなく、光武者を用意してくれた。
光武者は私の代わりにスポットライトを浴びてくれる。堂々としていて、国のトップにふさわしい風貌をしている。
光武者にトップの座を取られる心配はないのかって？それは大丈夫。光武者は別名・正騎士。後ろ暗い事なんて何もない。
黒い陰謀も、光武者の前ではその光でかき消されてしまう。悪事を明るみにされてしまう。
まあ、明るみになるよう仕組むのも私の仕事なんだけどね。
光が強くなるほど、その影は濃くなると言うだろう？私の闇の深さと光武者の明るさ。バランスが丁度取れている。
それに光武者は私の代わりだ。余計な事を考えない、バカみたく明るい方がいい。