誓いの指輪

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「おれは君を守る」
これがおれのプロポーズの言葉だ。誓いの指輪を彼女に贈った。
無事に結婚できた。だが新婚早々妻は暴漢に絡まれた。おれは指輪の力で瞬間移動し、暴漢を叩きのめした。
「ああ、ありがとうあなた」
「何いいってことよ。約束を守ったまでだ」
おれはバスと電車を乗り継いで会社に戻った。
妻が電話で詐欺に遭いそうになった時も、家に瞬間移動した。相手を受話器越しに一喝して受話器を叩きつけた。
恐縮する妻を残し、おれはまた会社に戻った。
だがいくら気弱で自立心の薄い妻とはいえ、こう頻繁に呼びだされると少し嫌気がさしてきた。いやおれ一人だけならいいが、職場のみんなに迷惑をかけるわけである。再び職場に戻るまでの時間もかなりかかる。
指輪を外そうかとも思ったが妻に万一のことがあっても困る。
気色悪かったが、おれは上司が仕事で困った場合助けるという誓いの指輪を渡した。職場にすぐ戻れるようになった。
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公開:22/12/11 22:52

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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