遅れてやってきたサンタクロース

今年、僕の家にはサンタクロースがやってこなかった。
皆の家にはサンタクロースが来たらしく、プレゼントを見せあっては喜んでいた。
僕はそんな皆を羨ましそうに見つめる。
と、そんな僕の前に息を切らせたサンタクロースがやってきた。
「す…すまん…遅れた…」
ぜぇぜぇと息を吐き、肩で息をする汗だくのサンタクロース。
な…何があったの？
「き…君の願いは、『お母さんの病気が良くなる事』だった、じゃろ？儂は、良い子の、君の願いを叶える為、ゴッドハンドと呼ばれる、医者を、連れて来たんじゃ…」
そう言ってサンタクロースは袋の中からお医者さんを取り出した。
「これでもう…一安心じゃ…」
サンタクロースは満足げな表情を浮かべ、倒れた。
『…君、悪いけど先にサンタクロースを治療して構わないかね？』
呆れた顔のお医者さんの言葉に僕は頷いた。

そのあと少し遅れて、お医者さんはお母さんの病気も治してくれました。