律儀なサンタ
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今年も世界中の大人達の中からランダムに選ばれた人のもとに、サンタがクリスマスプレゼントのリクエストを訊く電話をかける日がやって来た。とは言っても、このイベントを知っているのはサンタとその関係者だけ。電話をもらった大人達は、たいてい悪戯だと思って信じない。しかし、サンタは実直な人で、どんな人のリクエストにも答えるのだった。
「もしもし、サンタです。大人のクリスマスプレゼント電話に当選されたのでお電話差し上げました。プレゼントは何が良いですか? 実体の無い物や法に触れる物以外なら、何でも言って下さい」
「は? もし本当にサンタだって言うなら、船でもくれてみろ」
クリスマスの朝、彼の庭には大きな漁船が置かれていた。
「もしもし、サンタです。プレゼントのリクエストは?」
「くだらねぇ悪戯だな! はははははは!」
電話が切れた。
クリスマスの朝、彼の枕元には母親が三人座っていた。
「もしもし、サンタです。大人のクリスマスプレゼント電話に当選されたのでお電話差し上げました。プレゼントは何が良いですか? 実体の無い物や法に触れる物以外なら、何でも言って下さい」
「は? もし本当にサンタだって言うなら、船でもくれてみろ」
クリスマスの朝、彼の庭には大きな漁船が置かれていた。
「もしもし、サンタです。プレゼントのリクエストは?」
「くだらねぇ悪戯だな! はははははは!」
電話が切れた。
クリスマスの朝、彼の枕元には母親が三人座っていた。
ファンタジー
公開:22/12/13 10:28
アマチュア執筆ユニット「産地直送タッセル万年筆」の田中エイドリアンです。主にnoteにショートショートを投稿しています。400字以内の作品が書けた際は、こちらにも投稿していきます。 http://note.com/freshpen
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