サンタクロースのお手伝い

ウチは貧乏だから、サンタクロースはやってこない。
サンタクロースはお金がある家にしかやってこない。
そう諦めていたら、サンタクロースがやって来て「仕事を手伝ってくれないか？」と言った。
サンタクロースの仕事って？
「プレゼントの仕分け、トナカイの世話、手紙の返事の代筆…とかかな？」
それくらいなら出来そうだとサンタクロースの手伝いを私は受けた。
でもいざやってみるとこの仕事は大変だった。
プレゼントは開けたくなる誘惑に打ち勝たなければならない。
間近で見るトナカイは意外と怖い。
手紙の代筆は言葉を選ぶのが難しい。
でもそんなサンタクロースの手伝いを全てこなし、私もサンタクロースからプレゼントを貰う事が出来た。
それが今から６０年くらい昔の話。
今、サンタクロースとなった私はプレゼントが貰えない良い子を見つけては仕事を手伝ってもらっている。
将来、私の後を継ぐサンタクロースを育てている。