夢と箒

空が天高く伸びているある日、箒を持った老人と子供が掃除をしていた。

「タケル、今日はおじいちゃんの手伝いをしてくれてありがとうね。」
「いいよ！僕、おじいちゃん大好きだから！」
「ほら、あっちの方にいっぱい落ちてるよ。掃きに行こう。」
「うん。わかった！ねぇ、おじいちゃんこのゴミ一体なんなの？」
「ゴミじゃないんだよ。これは夢なんだよ。」
「夢？」
「人はね大人になって、働き、家庭を持ち徐々に夢を失っていくんだ。その夢がこうして街に溢れるんだよ。」
「ふーん、よくわかんない。」
「タケルは夢はあるのかい？」
「僕はね！サッカー選手になりたいの！」
「いい夢だね。さて、そろそろ夢も集まったし終わりにしようかね。」
「この夢はどうするの。」
「この箒とね、一緒に部屋に置いておくんだよ。そうするとね…。」
「そうすると？」

「箒が夢を吸って、箒星になる。そして、願いを叶えるんだよ。」