バスドラム

1
2

「お~い、若けぇの。もうちょい熱くしてくれんか?」
銭湯を訪れた常連の爺さんが声をかけてきた。
僕は銭湯内のステージに設置されたドラムを叩き始める。
初めてここを訪れた客は何事かと僕を見る。僕は観客の視線を受けながら演奏を続ける。
腹に響く音が聞く人のボルテージを上げる。客が徐々に湧き始める。
ドラムを叩けば叩く程、客も風呂の湯も温度がぐんぐん上がる。
逆にミスをすれば温度が下がってしまう。細心の注意を払い叩き続ける。
「いい湯じゃ~。お前さん、また腕を上げたな」
爺さんが僕を褒める。湯の温度を見ると60度を超えていた。熱くないのか?
「こんなのまだまだ序の口よ」
爺さんは風呂から上がると僕に代わってドラムを叩き始める。
スタートから全然違う。何だこの音は!?と驚愕する。
「やるならこれくらい上手くなりな」
湯の温度に目を向ける。100度を越えた湯は客の興奮と同じく中々冷めそうになかった。
公開:22/12/06 21:10

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容