ココロスーパーボール

[スーパーボールが弾めば弾むほどアナタの心も弾みます]
駄菓子屋の隅にこんなPOPを見つけた。
ただのスーパーボールに見えるけど、そんなに楽しいのかな？

地面に投げてみた。スーパーボールは僕の身長ほど弾み、跳ね上がる。

え、何これ？何か気持ちいい！何か楽しくなってくる！

次の日もその次の日も、スーパーボールを投げた。特に嫌な事があった時は。

かけっこでビリだった。
テストの点が悪くて怒られた。
大事なゲームを踏んで壊してしまった。

ボールのサイズが大きくなり跳ねる距離が長くなるのに比例して心が軽くなる気がした。

ある日、アイちゃんに僕が密かに恋してる事がバレてしまった。

「えー、嫌だよ。気持ち悪い。なんで私なのー。」

最悪すぎる。もう立ち直れない。

店で一番大きいのを買って投げた。

ドスン

「なんだよ…。これ…。」

バスケットボール大ほどのボールは全然弾まなかった。