冬太郎という男

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冬太郎は、厳しい寒さの時期に生まれた。冬生まれの冬太郎は、とても寒さに強い子に育った。
ゆきやこんこんあられやこんこん。犬は喜び庭駆け回りとあるが、あれは犬ではなく冬太郎の事だ。
そんな元気に育った冬太郎も成人を迎えた。
「父上、母上。私を丈夫な体に生んでくれてありがとうございます。おかげで今日、成人を迎える事ができました」
「立派になって。冬太郎……うっ……ううっ……」
冬太郎の母は、思わずうれし泣きをした。父もこれから頑張るんだぞと激励してくれた。
「それでは、儀式の準備に移るとしますかのぉ……」
村の長老が言う。
「行って参ります。しかとお役目を果たしてきます」
両親に別れの挨拶を済ませると、冬太郎は儀式の場へと行った。これは何の儀式なのかって?
これは冬の儀式です。
毎年、冬がやってくるのは、冬太郎と呼ばれる者が冬を日本全国に運んでくるからなのです。
さあ冬に向けて準備しよう。
公開:22/12/02 10:12

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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