プリズン大学

Ｊ県の某刑務所は入所者が減ってついに囚人より刑務官の数が多くなった。またＪ県立大学では学生数が激減。大学と刑務所が合体して新しい大学が誕生してから十年が経った。
大学は全寮制で学費無料。学生には個室と食事支給。入学希望者が殺到した。学生たちは起床、食事、授業、宿題、入浴、排便、就寝に至るまで看守が見張る細かいプログラムの生活。外出は許されず、卒業するまで塀の中。授業は厳格。私語をすると教授の平手打ち。居眠りしたらボコボコにされる。学生はスマホ禁止。手紙は検閲され、家族の面会も事前予約制。
彼らには勉強しかない。一単位でも落とすと留年。全単位を取るまで卒業できないが留年しても無期在学OK。呑気に構えていた新入生も卒業しないと外界に出られないと実感し必死に勉強するとか。
卒業生はどこか凄みが備わって会社のリーダーとして活躍する。各企業の求人が殺到。他大学でも刑務所との合体を検討しているらしい。