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大学に行くため、俺はアパートの部屋を出て鍵を締める。階段に向かおうとすると、いつもアパートの掃除をしてくれる赤いジャージを着たお姉さんが、廊下を掃いているのが目に留まる。
「お姉さん、いつもありがとうございます」
「いえいえ! 掃除屋の仕事ですから」
お姉さんは屈託のない笑顔を向け、首を傾げる。長い茶髪が揺れるのを見てドキッとしたのがバレないように、俺は平静を装う。
「ところで、最近このアパートも人が少なくなりましたね。残ってるのは貴方だけです」
「そうなんですか?」
「正直寂しいです」
お姉さんは箒を両手でギュッと握って俯く。
「どうして俺だけって知ってるんです?」
俺がそう聞くと、お姉さんは目を大きく開けたまま笑顔を浮かべる。
「だって、私が汚してしまったので……他の皆さんは掃除しておきました」
お姉さんは腰のポケットから包丁を取り出し、俺の体目掛けて一直線に踏み込んできた。
「お姉さん、いつもありがとうございます」
「いえいえ! 掃除屋の仕事ですから」
お姉さんは屈託のない笑顔を向け、首を傾げる。長い茶髪が揺れるのを見てドキッとしたのがバレないように、俺は平静を装う。
「ところで、最近このアパートも人が少なくなりましたね。残ってるのは貴方だけです」
「そうなんですか?」
「正直寂しいです」
お姉さんは箒を両手でギュッと握って俯く。
「どうして俺だけって知ってるんです?」
俺がそう聞くと、お姉さんは目を大きく開けたまま笑顔を浮かべる。
「だって、私が汚してしまったので……他の皆さんは掃除しておきました」
お姉さんは腰のポケットから包丁を取り出し、俺の体目掛けて一直線に踏み込んできた。
ホラー
公開:22/12/02 01:26
たまに小説を書いています。
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