エンディング凸レンズ

カメラが趣味の私は、フラッと撮影旅行で来た先で、小さな個人経営カメラ屋を見つけた。入ってみると色々置いてある。その中にエンディング凸レンズと書かれたものがあり、ケースの中に飾られていた。
「おじいさん。このエンディング凸レンズって何？」
「それはね。写したものの最期の姿が写る特殊なレンズなんだよ」
「そんな馬鹿な。そんなのないでしょ」
「ほほほ。試してみるかい？」
おじいさんはディスプレイからエンディング凸レンズを出して、私に差し出した。私は自分のカメラにエンディング凸レンズを入れて、おじいさんにカメラを渡した。
「じゃあ私を撮って」
おじいさんは、私を撮った。すると老婆がカメラを持っている写真が撮れた。
「うわっ！！これ私！？凄い。ほんとだ。これ買う！！」
私は写真を撮りまくった。私は人生の最期の瞬間まで写真を撮り続けていた。そうか、だからあの写真には、一緒にカメラも写っていたのか。