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知合いの、押上博士の研究室に遊びに来た次郎君。
彼は昨日、仕事のプレゼンに成功して、ウキウキしている。
嬉しそうな彼に、博士は小さなカメラを渡した。
「これは『気持ちの自撮りカメラ』じゃ。充実感、希望や夢などを、風景のように撮影できる」
驚いた次郎君は、自分の顔を撮ってみた。すると、白い雲と青空の景色が写っていた。
「このカメラを君にあげよう」と博士。「でも使い方に気をつけるように」
「使い方?」
「そう。達成感や充実感を撮るのは良いが、希望を撮る時が問題なんじゃ」
「何故ですか」
「希望を撮った画像を見ると、その時の気持ちと、現在の現実のギャップに気づいて、やる気が失せる恐れがあるんじゃ」
博士は笑って続ける。
「希望は振り返るものじゃなく、いつも自分の中に持っているべきものじゃ。写真とは、思い出を撮った“遺物”でもあるんじゃよ」
次郎君は、カメラを手にしてうなずいた。
彼は昨日、仕事のプレゼンに成功して、ウキウキしている。
嬉しそうな彼に、博士は小さなカメラを渡した。
「これは『気持ちの自撮りカメラ』じゃ。充実感、希望や夢などを、風景のように撮影できる」
驚いた次郎君は、自分の顔を撮ってみた。すると、白い雲と青空の景色が写っていた。
「このカメラを君にあげよう」と博士。「でも使い方に気をつけるように」
「使い方?」
「そう。達成感や充実感を撮るのは良いが、希望を撮る時が問題なんじゃ」
「何故ですか」
「希望を撮った画像を見ると、その時の気持ちと、現在の現実のギャップに気づいて、やる気が失せる恐れがあるんじゃ」
博士は笑って続ける。
「希望は振り返るものじゃなく、いつも自分の中に持っているべきものじゃ。写真とは、思い出を撮った“遺物”でもあるんじゃよ」
次郎君は、カメラを手にしてうなずいた。
ファンタジー
公開:22/12/04 12:42
写真
カメラ
風景
思い出
押上博士
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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