父親たちの仁義なき戦い

妻は僕が幼い娘にメロメロで、好感度を上げようと必死になっていると思い込んでいる。
甘い…僕の本当の狙いは、そんな僕の姿を妻に見せる事で妻が本当に欲しいと思うものを引き出す事にある。
去年はこの方法で「新しいバッグが欲しい」という呟きを引き出した。すぐさまこれを購入し、クリスマスにプレゼントすると凄く喜ばれた。僕は君のサンタクロースでもあるからね。
でもそんな僕にはライバルがいる。妻の父だ。
義父もまた、妻と娘にクリスマスプレゼントを毎年贈る。
それで去年、義父からのプレゼントに妻と娘は無茶苦茶喜んだ。その喜びようと言ったら僕が贈ったプレゼントが霞んでしまうくらいである。
妻と娘にはとても優しいレッドサンタ。でも僕に対してはとても厳しいブラックサンタ。
義父は未だに僕の事を「娘を奪った憎き男」と思っているのだろう。僕に見せるその勝ち誇った顔が証拠である。
お義父さん。今年は負けませんからね！