森のくまさん【バイリンガル餃子編】
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ある日、森の中、熊さんに出遭った。
逃げようとした私は肩を叩かれた。振り返ると、熊さんの手には貝殻のような白いものが。
「私の餃子!」
落とした餃子を熊さんが拾ってくれたのだ。
「ありがとう」
『ガァー』
「お礼をするわ。ついてきて」
山の頂上で、私は餃子を食べようとしていた。このバイリンガル餃子は、食べた人が喋る言葉をその場で翻訳できるのだ。それには特殊な条件があった。
頂上に着き早速、餃子を焼いた。
「召し上がれ」
『ガァー』
私と熊さんが餃子を食べる。
そして、隣の山に向かって、私は大声で叫んだ。
「お味はいかがですかぁ」
「ガァー」
山に反響した私の言葉が、熊語に翻訳され返ってきた。隣の熊さんが驚いた顔で私を見る。今度は熊さんが叫ぶ。
『ガァー』
『荒々しい肉の食感が最高で、ニンニクも効いていて野生的な味で美味っす』
「お前が言うな!」
私と熊さんは意気投合し、熊ダンスを踊った。
逃げようとした私は肩を叩かれた。振り返ると、熊さんの手には貝殻のような白いものが。
「私の餃子!」
落とした餃子を熊さんが拾ってくれたのだ。
「ありがとう」
『ガァー』
「お礼をするわ。ついてきて」
山の頂上で、私は餃子を食べようとしていた。このバイリンガル餃子は、食べた人が喋る言葉をその場で翻訳できるのだ。それには特殊な条件があった。
頂上に着き早速、餃子を焼いた。
「召し上がれ」
『ガァー』
私と熊さんが餃子を食べる。
そして、隣の山に向かって、私は大声で叫んだ。
「お味はいかがですかぁ」
「ガァー」
山に反響した私の言葉が、熊語に翻訳され返ってきた。隣の熊さんが驚いた顔で私を見る。今度は熊さんが叫ぶ。
『ガァー』
『荒々しい肉の食感が最高で、ニンニクも効いていて野生的な味で美味っす』
「お前が言うな!」
私と熊さんは意気投合し、熊ダンスを踊った。
その他
公開:22/11/26 19:48
毎週ショートショートnote
バイリンガルギョウザ
★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!
★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』
★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。
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の選択』、六文字の返信ほか)
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ショートショートの可能性と豊かさが詰まったアンソロジーですのでぜひ!
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そるとばたあ