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心理学と電気工学を融合した思考回路が開発された。
思考回路は小さなチップの形をしていて、プラス思考の人間の脳内に埋め込めば、プラスからマイナスに電気が流れるように、電流が思考回路を通じて脳内に駆け巡り、思わぬアイデアや発想が生まれる。よく閃いたら、電球の明かりが点くような感覚と同じだ。
プラス思考の人間かどうかは、心理テストで判断し、プラスと認定されれば、思考回路が得られる。
アイデアや発想に飢えた為政者や作家、経営者に至るまで、さまざまな人たちが思考回路を求めて殺到したが、大半はマイナスと認定されて思考回路を得られなかった。
そもそもプラス思考の人間が思考回路の助けを借りる必要はない。ただ、ごくまれにマイナス思考の人間が誤ってプラスと認定され、思考回路を得たら大変だ。
マイナスからプラスには電気が流れず思考停止に陥り、無理に思考回路を使い続けると脳内がショートして知恵熱を発症してしまう。
SF
公開:22/11/26 07:05
心理学 電気工学 思考回路 チップ プラス思考 マイナス 電流 電球 ショート 知恵熱

山田衆三(SHUZO)( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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