君には僕が見えるの?

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彼女は出会ってしまった。幽霊に。
「君には僕が見えるの?」
そう問いかけてくる幽霊に対して彼女は
「見えるよ」
と恐る恐る答えると、幽霊は涙を流した。
「ど、どうしたの?」
「やっと僕の事が見える人に出会えたんだ。それが嬉しくて。ずっと一人ぼっちだった。寂しかった。怖かった」
「そっか。早く成仏しないとね」
そう言うと、彼はニッコリと笑った。
「ありがとう。そろそろネタバラシしてもいい?」
「ん?」
「ドッキリでした!幽霊なんかじゃありません!」
「ええー!?」
あの涙は!?あれも演技!?
「僕の名演技に騙された君。君は何も悪くない。僕の演技が凄すぎたんだ」
「もう知らない!!何なのよ!!」
そう言って彼女は怒って歩いていく。
「・・・これでいいんだ」
本当は僕は幽霊。幽霊の僕が彼女にずっとついていく訳にもいかない。彼女に迷惑がかかってしまうから。僕のことを見えた人がいた。それだけでいい。
公開:22/11/22 07:44

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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