山村学校

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山奥の村では若い者は、進学や就職でどんどん村を離れそのまま戻ってこない。だから少子高齢化は進み、小学校の生徒数は激減で近々廃校とさえ言われている。
危機感を持った村や教師は、何とか生徒を増やさなければと山村留学の受け入れをPRした。自然豊かな環境の中で、伸び伸びと勉強をしましょうとアピールするも希望者は少ない。
そこで村長が考え出した妙案は、動物も一緒に教育が受けられる様にする事であった。
授業料や給食代も勿論無料であった事から、猿・熊・猪・羊・狸等や、人に飼われていた犬や猫の子供達もOKと言うことで多数応募してきた。
生徒の急増に喜んだ村の教育委員会は、これこそ人間と動物、差別無しの真の教育だとテレビやマスコミにも盛んに売り込んだ。
しかし結局は烏合の衆で、教室に集めてみたものの皆勝手気ままに動き回り席にも着かず、先生の話もまともに聞かず、唯一全員一致で喜びの時間は給食の時だけだった。
ファンタジー
公開:22/11/24 23:27

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