親不孝金貨

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親を大事にしろ。そんな言葉をよく聞くが、俺の親はとんでもないクソな親だ。おかげで俺は、苦労して育った。こんな家、さっさと出て行ってやると思い、十六歳で家を出た。高校にも行かず、学歴がない俺には怪しい仕事しか選択肢がなかった。色々な詐欺の手伝いをして金を稼いで生活してきた。ある時、詐欺師仲間。……いや、仲間ではない。詐欺師の同僚から不思議な話を聞いた。
「親不孝金貨って知ってるか?親不幸な奴程稼げる金貨らしいんだ」
「ふーん」
話し半分だった。家に帰っても暇なので、試しにネットで親不孝金貨について調べてみる。すると親不孝金貨のネット口座開設というのがあった。必要事項には、自身の生い立ちを書く欄があった。俺は親に虐げられた酷い過去を書きまくった。
メールが届いた。口座に一億親不孝金貨を入金しましたと。それを換金すると、俺は金に困らず自由になった。そんな時ふと思った。これも親のおかげなのかと。
公開:22/11/24 09:11
更新:22/11/24 09:14

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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