門前の猫習わぬ経を読む

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ウチの寺では日課で毎朝、経を読む。
朝の早い時間だ。寺の若い坊主どもでさえ単調な経に転寝をしてしまう中、その経を耳をピンと立てて聞く者がいる。
猫だ。門のそばで背筋をピンと伸ばし、猫が経を聞いている。
儂はそんな猫を指さし若い坊主達に言った。
「見よ。お前達より猫の方が真面目に聞いておる。このままではお前達より先に猫が経を覚えてしまうぞ」
冗談で言ったその言葉は、数カ月後に本当となった。
儂が経を読み始めると猫がそれに合わせて鳴き声を上げる。
これを録音し、機械にかけてみると儂の声と猫の声、経を読む音が一緒だった。
儂は猫を寺に迎え入れた。
普通なら坊主から始めるところ、猫には儂と同じ住職の位を与えた。
何せ相手は猫。毛だらけで坊主にするのは難しい。
それに猫を住職に任命したところ、多くの人が訪れるようになった。まさに招き猫。
猫だけに「もう、けだらけ」。猫は坊主とは程遠い存在だ。
公開:22/11/23 20:48

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。

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