名も無き花のアブソリュート

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綺麗な花だ。この花からは良い香りがして、良い香水が作れるだろう。香り成分を抽出し、香水を作る。しかしこの花の香りには、強烈な成分が含まれている事をこの時の私はまだ知らないでいた。
作った香水をつけてみると、とても良い香りがした。成功だ。世界にただひとつしかない私だけのオリジナル香水の完成だ。どうして皆、この花の存在に気が付かないのだろう。この香水を商品化すれば皆が使ってくれるだろう。そして私は、この名も無き花の香水を商品化した。香水は良い香りがするからどんどん売れていった。
ある日、一本の電話がかかってきた。香水のユーザーからだ。
「旦那がおかしくなってしまいました。この香水のせいです」
それから次から次へと同じような電話がかかってきた。香水をつけた人の周りの人が、どんどんおかしくなっている。
「どうおかしいんですか?」
そう聞くと、皆こう答えた。
自分の名前を忘れてしまうんです。と。
公開:22/11/19 08:36

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
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