レイトゲン

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俺は霊感が人一倍強い。よく霊が見えたり、心霊現象に悩まされることがある。
そういうときは、除霊してくれる専門クリニックを受診する。
院長は歴とした医師だが、前職が神主で除霊師とも知られており、優れた霊能力者だ。
「先生、最近また夜中に金縛りにあって寝つけません。身体も怠く重いんです」
「それはいけませんね。早速、レイトゲンを撮って霊視してみましょう」
レイトゲンが撮れるという霊視室で霊視線を放射してもらう。やり方はレントゲンと同じだ。

「このレイトゲンを見てください。あなたの肩に女性らしき浮遊霊が写っています。この霊が原因ですね。
何らかの理由で成仏していないようで、霊感が強いあなたに助けを求めているようです。
完全に憑依しては大変ですので、私のほうでレイトゲンに写っている霊を鎮め、あなたには除霊に効くお清めの塩とお香を処方しておきます」

数日後、よく眠れるようになり身体も軽くなった。
その他
公開:22/11/19 07:00
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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