心くすぐる香り

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家出してきた僕に、お婆ちゃんが抹茶を立ててくれる。
兄ちゃんと姉ちゃんは抹茶は苦いから嫌いって言うけど、僕はこの苦さが好きだ。
抹茶を立てるお婆ちゃんを見つめる。静かなこの時間が大好きだ。
ウチだとこうはいかない。家族が騒がしくて末っ子の僕はいつも気を使わないといけない。
だから僕は時々お婆ちゃんの家に逃げ込む。
抹茶を飲んでは、早く大人になりたいって思う。
もしくは弟か妹がいたら…なんて思う。
「お抹茶はね、末に手を加えてお茶にするって書くの。末っ子も悪い事ばかりではないわよ。お抹茶と同じで、ゆっくりと時間をかければ、味わい深い人生になるのだから」
そう話すお婆ちゃんと一緒に抹茶を啜る。
抹茶の香りでくさくさしていた気持ちが綻んできた。心がくすぐられたのかな?
そんな風に思っていると兄ちゃんと姉ちゃんが僕を迎えに来た。
二人と手を繋ぎ、一緒に帰る。これが末っ子の特権なら末っ子も悪くない。
公開:22/11/14 20:53

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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