忘れ水
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次のデートの相談で彼女に電話をしようとしていた時、家にセールスマンの男が訪ねてきた。
男はペットボトルを見せ、「これは『忘れ水』です」と言った。
一口飲めばその日の出来事を全て忘れてしまう水だという。
「つまり、嫌なこともきれいさっぱり忘れられるという訳です」
面白いじゃないか。僕は試しに買ってみることにした。
「ただし、効き目が強いので、がぶ飲みすると脳にダメージを与えて命に関わります。ご注意を」
男はそう言い残して帰っていった。
10分後、僕は失意の淵にいた。彼女に突然別れを告げられたのだ。
「そうだ。これを飲んで忘れてしまおう」
失恋の辛さに耐え兼ねた僕は、さっき買った『忘れ水』を一口飲んだ。
「あれ、何をしていたんだっけ?」
我に返ると、目の前に水の入ったペットボトルがあった。
喉の渇きを覚えた僕は、ペットボトルの水を一息に飲み干した。この世のものとは思えぬほどの美味だった。
男はペットボトルを見せ、「これは『忘れ水』です」と言った。
一口飲めばその日の出来事を全て忘れてしまう水だという。
「つまり、嫌なこともきれいさっぱり忘れられるという訳です」
面白いじゃないか。僕は試しに買ってみることにした。
「ただし、効き目が強いので、がぶ飲みすると脳にダメージを与えて命に関わります。ご注意を」
男はそう言い残して帰っていった。
10分後、僕は失意の淵にいた。彼女に突然別れを告げられたのだ。
「そうだ。これを飲んで忘れてしまおう」
失恋の辛さに耐え兼ねた僕は、さっき買った『忘れ水』を一口飲んだ。
「あれ、何をしていたんだっけ?」
我に返ると、目の前に水の入ったペットボトルがあった。
喉の渇きを覚えた僕は、ペットボトルの水を一息に飲み干した。この世のものとは思えぬほどの美味だった。
その他
公開:22/11/13 22:38
断続的にではありますが、趣味で細々とショートストーリーを書いています。
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