幻のシナリオ

ついにあの幻のシナリオと言われた魔法使いの夕焼けがゲームになった。こんなの期待しかない。待ちに待った発売日。ゲーム屋に並んで購入した。え？今時並んだのかって？そう。店頭限定販売なのだ。これは未開封なら確実にプレミアが付くゲームだが、俺は開封する。幻のシナリオというのがどんなものなのか気になるからだ。ゲームをプレイするとその世界観にのめり込んだ。徹夜でゲームをプレイし続けた。まるで悪い魔法をかけられたかのように。それから食事も取らずにゲームを続けているとついにクリアした。最高のゲームだった。余韻に浸っていると家のチャイムが鳴った。玄関のドアを開けると、そこには魔法使いが立っていた。
「夕焼けの刻にやってきました。お迎えにあがりました。さあ行きましょう」
そう。このゲームは、魔法使いになる為の試験案内のゲームだった。ゲームをクリアした者だけが魔法使いの受験資格を得られるのだ。