目目連のサイコロ

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目目連という妖怪がいる。
荒れ果てた家の障子に目が浮かび上がって動き回るのだが、ガキどもはこの程度では驚かない。
それどころか、目目連が現れた障子を破り、箱に貼り付けてサイコロを作る始末。1には目はひとつ。2には目がふたつ。6になると目目連を6つも貼り付けるから、ぎゅうぎゅうだ。
ガキどもは目目連のサイコロを転がして遊ぶが、当然、目にゴミが入って目目連は泣き続ける。
「驚かしてごめんさない」といってもガキどもは聞く耳を持たない。
こうして、目目連が現れることはなくなったという。
なお、サイコロの数字のことを「目」と呼ぶのは、目目連で作られたサイコロが由来であることは、あまり知られていない。
SF
公開:22/11/16 16:37

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