褒めるロワイヤル

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中学生四十二人を大部屋に入れて、褒め合いをさせることにした。人を貶したり悪口を言ってはいけない。とにかく褒めることをする。
そうすればみんなの気持ちは和んでクラスの絆は強まると先生は考えたのだ。
しかしみんな、その図々しさがすごいとか、かわい子ぶって男の気を惹こうとしているのがすごいとか、褒めているのだか貶しているのか分からないことばかりを言っていた。
先生が仲介して、皮肉や警告、注文などは止めなさいと言った。
その後は、頭がいいねとか、可愛いねとか、なおざりに言うばかりになった。
やはり失敗だったか、下手なことはするものではないなと先生は頭を抱えた。
褒めて伸ばすとよく言うが、褒めるというのは人を慢心させることにもなるので一長一短かもしれない。思春期だと余計難しいのだろう。あざとい人などは、わざと失敗して今度は成功した。すごいでしょ、褒めてと遠回しにアピールすることもあるかもしれない。
青春
公開:22/11/10 22:07

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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