飛べ! クリスマスツリー1号!

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博士は助手を呼び出した。
「ついにできたよ」
「この木ですか?」
「クリスマスツリーじゃ」
「飾りも何もないですし、ただの大きな木に見えますが」
「今は力を蓄えておるのじゃ」
「力……ですか。どのくらいかかるのですか?」
「1ヶ月はかかるじゃろう」
1ヶ月後、助手は博士のもとを訪れた。
「博士、そろそろ1ヶ月が経ちますが、一体何が起こるのですか?」
「クリスマスツリーにおいて一番重要な飾りは何かの?」
「それはやっぱり、てっぺんに飾る星でしょう」
「その星は『ベツレヘムの星』という名前なんじゃが、その星の正体ははっきりしていないんじゃ。このツリーはその星を見つけるために作ったのじゃ」
直後、ツリーは大きな幹を震わせた。根を張る地面が裂ける。ツリーは根の下からまるでロケットのように炎を噴き出した。そしてそのまま上空へ飛び立ち、大気圏を抜け宇宙へ出た。自分のてっぺんにふさわしい星を求めて。
SF
公開:22/11/12 18:45
更新:22/11/12 23:40
研究室ライブ 圏外のクリスマスツリー

雪宮冬馬( 日本 )

Yahoo!でのログインがどうもできないので新たに作りました。
20代男。趣味でショートショートを書いてます。
夢は「坊っちゃん文学賞」受賞!

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