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「可哀想な人だと想う」そう伝えると「強い人」だと言う。彼女、彼らは憎むことや呪うことで生じる心の疲弊を知らないのだろう。
 呪う感情で起こる消費は傷つけられる心と同等。あるいはそれ以上の負の感情の発生だ。
 だから、私は他ならぬ私のために、彼女と彼らを哀れむ。可哀相だと見下す。無関心になれるほど傷は癒えていない。まだ生々しく私の傷口は膿んでいる。だから私はただならぬ私のために、哀れむのだ。
 縛ることでしか安定を得られない彼女を、蔑むことでしか優位に立てない彼を、暴力でしか繋ぐことの出来ない彼を、どうしようもなく可哀相な人間だと私は思う。哀れで惨めな人間だとしか私には思えない。
 強さ弱さは無いものねだりだ。
私は私を弱いと思う。人の持つものを強いと思う。
でも、彼女も彼も、私を強いと宣う。
強さ、弱さは、無い物ねだりでしかないのだ。
その他
公開:22/11/06 03:20

街角ニューカペナ( 東京 )

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