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冬の空気は切なくなる程に澄み渡る。溶けた氷を肺に入れているようだ。煙草の煙と呼吸の靄が曖昧になるキンと冷えた清い空気を混ぜて、肺に入れるのが好きだ。
 冬の夜は寂しくない孤独を与える。星が少ないコンクートの森でも、黒の中に散りばめられた光を澱む天上の上に感じる。我々は知っているのだ、この空の上に満天の空があることを。見て見ぬ振りをし、都会に責任を擦り付けている。
 責任は街にない。通りすがりの誰かにもない。私の心に存在している。冬の夜の肺に染み入る冷たさは私の熱した頭も冴え渡らす。私の肺は夜の冷暗で満ちる光明だ。
 あなたの光明も夜道にこそ有り得ることを私は伝えたい。太陽の光は眩しすぎるが、月明かりは柔らかで包み込む光明なのだ。
その他
公開:22/11/06 02:56

街角ニューカペナ( 東京 )

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