擬似自殺体験薬

自殺者の増加に歯止めがかからないため、擬似自殺体験薬という物が作られた。これを飲むと自殺した時の臨死体験ができるのである。
例えば首吊り自殺を考えていた人が薬を飲むと首が苦しくなり、脳が生前のフラッシュバックをする。
あっ自分は両親に愛されてないと思っていたけど、それなりの愛は受けていた。考え方の相違だったのだ。
会社も学校もそんなに嫌だったら、行くのを止めればいい。信用できる人を通して立ち向かうなり、逃げるなり方法はいくらでもある。自分は生かされているのだ、死ぬのは傲慢だと薬を飲んだ大抵の人は悟った。
心の傷は容易に治らないし、一生続く場合もあるがそれでも虚無の死を迎えたくないと多くの人は思った。
それでも自殺したいという人は加害者を逮捕したり遠ざける処置をとった。重病人は安楽死してもらった。
自殺を思い留まった人にはカウンセラーがつき、サポートを継続していったため自殺者はかなり減った。