パンドラ

2
2

パンドラがゼウスから贈られた箱を開けた途端に、箱から様々な災厄が飛び出した。
真っ先に飛び出したのは死だった。これで世界に死が蔓延するようになった。
次に出てきたのは病気だった。これで生物は病気から逃れられなくなった。
さらには老化、ケガや飢えなど、生物にとって様々な苦しみが次々とまき散らされた。
ありとあらゆる命はいつかは死ぬ運命となり、しかも死ぬまで老化、病気、ケガといった災厄に悩まされなければならない。
取り返しのつかないあまりの出来事にパンドラが呆然としているとき、箱の中から奇妙な生物がひょっこりと顔を出した。
パンドラが、その奇妙な生物を手に取った。
「残されたのは、希望か絶望か」
パンドラは願いを込めて、その生物を世界に放った。
「人間」が希望になるのか絶望になるのか、まだ決まっていない。
SF
公開:22/11/05 10:08

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容