校正取引委員会

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書籍などの文字にミスがあれば、情報伝達上の重大な虚偽であると政府が決定し、文化庁に校正取引委員会が設置された。
校正取引委員会は、誤字脱字や英語のスペルミス、表記のゆれ、文章の構成や内容に矛盾が起きていないかなどを確認して正しく修正する任務を司る。
校正取引委員会の職員は国家公務員で、校正に関する難関試験をクリアした出版社のベテラン編集者など業界でカリスマ的な存在と呼ばれる者もいる。
書籍の場合、校正取引委員会に文字のミスを指摘されると一箇所ずつ罰金が科され、一定の数を超すと流通した書店からの一斉撤去、破棄などの罰則が規定された。さらに、罪を犯した対象は、刊行した出版社だけでなく、執筆した著者にまで及ぶという連座制が適用された。
出版業界では、校正取引委員会の厳しい取り締まりによって書籍の刊行が激減し、朗読を中心とした音声言語のオーディオブックが主流となり、声優が花形の職業となっている。
その他
公開:22/11/05 07:03
書籍 文字 文化庁 校正 取引委員会 誤字脱字 朗読 音声言語 オーディオブック 声優

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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