風のマシン

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風をエンジンとして使うことのできる、マシンが世に出された。そのマシンに乗り込み立つか座るかすれば体の不自由な人も、好きな所に行けるようになった。
風をエネルギーとするわけだが、別に微風でも無風でもよかった。その場でおきる空気抵抗もエネルギーになったからだ。
排気ガスや二酸化炭素をまき散らすわけではなく環境にもよかった。
手や指が動く人はそれを使い、自在にコントロールができた。しかし脳の機能が衰えている人が使うことも多いので、操り損ねて事故を起こすこともあった。
そこでオート機能も搭載された。そのモードにしておけば目的地まで運転してくれ、事故を起こすような運転は決してしなかった。
だが欠点もあり、町で偶然人と会い話したいという時でも目的地へ行くことを優先してしまい、止まらないという現象もおきた。
多少の不便はあっても、体の不自由な人にとっては無くてはならない乗り物となった。
その他
公開:22/11/04 22:51

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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