休決鬼

4
1

この近くには、吸血鬼が出るらしい。そんな噂を聞き、僕は血を吸われる為にやってきた。だって吸血されれば不死身になれるんだろう?それは最高じゃないか。山の中に入っていくと、辺りは薄暗く、本当に何か化け物が出てきそうな雰囲気が漂っている。やはり何かが出る予感がして僕は、テンションが上がる。
「おーい、吸血鬼さん。出てきてよ」
僕は叫んでみる。するとガサガサという草が揺れる音がして、そっちの方を見てみるとそこには吸血鬼がいた。やった!!吸血鬼だ。
「さあ僕の血を吸って不死身にしてくれ」
袖をめくって腕を差し出した。すると吸血鬼は、僕の腕に吸い付いて吸血を始めた。そしてしばらく血を吸うと満足したのか、吸血鬼は喋り出した。
「私は休決鬼。休みを決意すると書いて休決鬼だ。本当の吸血鬼ではない。私に血を吸われると、常に休みを決意してダラダラ休んでしまう」
それはただの無気力人間じゃないか。僕は呆然とした。
公開:22/11/07 09:02
更新:22/11/07 09:26

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容