姫の救出

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おれは敵の王に捕われた姫を救出するために、城の奥地まで攻め込んだ。卑劣な敵の王を刺し違えてでも、倒すつもりだった。
王は必死で話を聞けと言う。ここまできて命乞いか。獲物を前にしての舌舐めずりは命取りだと、経験上おれはよく知っている。一直線に王に進み刺そうとした。
しかし刺す直前、違和感を覚えた。王が姫の姿に変わったのだ。だが急に力を抜くことなどできるはずもなく、姫の脳天を剣が貫いた。
魔法で姫は王の姿に変えらていたらしい。手遅れになってから気づき、おれはいつまでも泣き吐き続けた。
敵はこのことをプロパガンダに利用した。姫を刺し殺した瞬間を写真に撮られてしまったから、言い逃れは難しい。味方の王も事を荒立てるよりは、思い込みの激しい若者が勝手なことをしたということにして話を終わらせようとしたようだ。
おれは敵の国の牢屋で捕われて、惨めな一生を過ごした。いっそ狂うか死にたかったができなかった。
その他
公開:22/10/31 18:49

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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