夜のベンチ

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秋の夜長。この時期は過ごしやすく、俺は散歩をするのが日課になっている。夜の静けさが好きだ。ゆっくりと物事を考えるのには、最適だからだ。公園の夜のベンチに座り、自販機で買った缶コーヒーの蓋を開けて飲みながら、あの日の出来事を思い出す。あれは俺が高校生だった頃……。
「なぁ翔和」
健一は隣でスマホを見ながら話しかけてくる。
「んー?」
「明日って暇か? 暇だよな!」
「いや暇じゃねぇよ」
「暇だって言えよ~」
「嫌だね。予定があるから無理だわ」
「嘘つけ! さっき確認したら何もなかったぞ!!」
「うっせぇなぁ……。ちょっと用事があるんだよ」
「もしかして告白でもするのか?」
そうだ。告白するのだ。健一を適当に誤魔化し、彼女を呼び出して告白する。
「ずっとずっと好きでした。俺と付き合って下さい」
彼女は泣いていた。もう彼女の命は残り僅かなのだ。分かっていても、この気持ちをどうしても伝えたかった。
公開:22/10/31 09:57

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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