ハロウィンのコスプレ

今年も待ちに待ったハロウィンがやってきた！
町はバカ騒ぎする若者で溢れ、ちょっとした無法地帯と化している。俺にとっては最高の稼ぎ時だ。
酒を飲んではいい気分になっている奴の懐から財布を抜く。騒ぎと人波に乗って素早くその場を立ち去る。稼ぎは上々だ。
俺は盗んだ金を手に飲み屋街を歩く。さて、どこで祝杯を上げようか？どこでもう一仕事しようか？
店の看板を見ていると、どれもこれもハロウィン仕様に変わっていた。
最近のハロウィンは人間だけじゃなくて店もコスプレするみたいだな。
おや？あの店にいるはスリのAじゃないか。暗い顔をしてやがる。ちょっくら驚かせて酒の一杯でもおごってやろう。
店に入った俺にAが気付いた。
「お前も騙されたか…」
騙された？何に？
「この店だよ。ここ、牢屋を飲み屋風にコスプレさせてスリの類ともを捕まえているんだよ…」
店の外を見るとコスプレではない警察官がニヤリと笑っていた。